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労災事故を防ぐためにの最近のブログ記事

貴社の「労働時間」を見直しましょう

労働基準法では、1日あたりの労働時間と、その時間に対応する適切な休憩時間について定めがあり、経営者の皆さんは従業員に適切な休憩時間をとってもらう必要があります。

ここで少し注意したいのが「これまで労働時間と認識していなかった時間が、実は労働時間に該当するかもしれない」というケースがある点です。

たとえば、会社や工場で、一日の初めに朝礼やラジオ体操などを行っていて、その時間は従業員が全員参加することが前提であり、もしも参加しなかった場合には遅刻扱いになる場合などは、その時間が「労働時間」に該当することがあります。

その他にも、従業員が出勤してから作業服に着替えなければならない決まりがある場合には、その時間が労働時間とカウントされることがあります。

そして、貴社の就業規則などでどのように定められているか、という問題ではなく「実態として労働時間にあたるか」が問題です。

注意したいことは、1日あたり、1週間あたりの「労働時間」が長くなれば、それだけ休憩時間や休日などの設定を変えなければならない企業も出てくるということです。

朝礼やラジオ体操、そのほかにも作業服への着替え、機械類の点検、掃除など必要な作用があり、通常の業務を開始する前後の時間にそれらの作業を行いたいこともありますよね。

その場合は、労働時間に該当するかどうか検討し、該当するなら法的に問題のないように終業時刻や休憩時間などを決めるという慎重さが必要ということになります。

職場におけるリスクアセスメントの重要性について知られていますが、職場の整理整頓や機械類を良い状態に保つこと、朝礼で従業員の皆さんに注意を喚起することなどはとても重要です。

ただし、長時間にわたって従業員を拘束していると、法的に問題があるということももちろんですが、本来の作業への集中力が失われたり、結果的には製品の製造ミスや、体調不良に陥る従業員が多くなるといった弊害が出てきます。

現場に欠員が出ることで、他の従業員の負担が大きくなり、従業員全体の士気も下がるなどのデメリットもあります。

労働基準法の定めに従って休憩時間や休日などを設けることは、「法的な問題をクリアするため」だけではなく、もっと積極的に「従業員の労働災害を防ぎ、健康状態を保つため」と前向きに受け止めたいですね。

そして、気を配っていても、労災事故が起こってしまったときには、上乗せ労災や任意労災の給付を活用して、迅速に対応することが重要です。

社員の食中毒と労災認定

夏の暑い季節には、食中毒に関する報道が増えます。

食中毒には1年を通して起こってしまうものと、夏や冬など季節によっておこるものがあり、夏に起こる食中毒は細菌性のものが多いです。

O-157による食中毒も細菌性のものであり、2017年の夏にも数件の報道がなされました。

なお、一年を通して起こってしまう食中毒としては、きのこなどの自然毒によるものや、殺虫剤の誤飲などによるものがあります。

では、貴社の社員の皆さんが、もしも社員食堂で出された食事が原因で食中毒となった場合、労災認定は受けられるでしょうか?

社員の皆さんの意識としては「休憩時間中の食事が原因とはいえ、会社にいた間に起こった出来事なのだから、労災と認めて欲しい。医療費の心配がないようにしてほしい」というのが本音ではないでしょうか?

社員食堂での食事が原因の食中毒が、労働災害と認められるためには、社員食堂が会社の業務施設として運営・管理されていることや、その食堂の衛生管理上の瑕疵等を原因とした食中毒であると認められること、などが条件として考えられます。

また、会社が仕出し弁当をとって社員に支給し、その弁当が原因で食中毒が起こった場合には、労働災害と認められる可能性が高いでしょう。

出張中の食事や、宿泊研修中に研修施設で食事をとった場合の食中毒などについても、労働災害と認められる可能性はあります。

この場合には、外部の仕出し業者や宿泊施設に対して、貴社が損害賠償を求めることが可能なケースもあります。

さて、社員の皆さんが一斉に食中毒にかかり、欠勤する人が一度に出てしまった場合には、労災認定のことも大切ですが、肝心の業務に差しさわりが出てしまうかもしれません。

そのため、食中毒を起こさないような環境づくりが必要です。

「食中毒が起こりやすい時期には、社員の一人ひとりに注意を喚起する」ということが重要です。

食中毒以外の、たとえばインフルエンザなどの感染症にかかった人がいた場合も、迅速に対応するためのマニュアルなどがあった方がよいでしょう。

もしも、社員食堂での食中毒が「労働災害である」と認められなかった場合、社員の皆さんの心情としては
「会社で働いているから社員食堂で食事をとったのに、食中毒という災難に遭った。仕事も何日か休まなければならず、医療費もかかってしまった」
という意識になるかもしれません。

そのようなケースに、会社としてどう備えていくのかは、まだ問題が起こらないうちから考えておきましょう。

休憩時間の質と量を見直しましょう

各企業が定めている勤務時間や労働時間、休憩時間の量だけでなく質についても、世間の目がとても厳しくなっています。

従業員にロクな休憩を取らせることもなく、ひたすらに働かせるような企業は、ブラック企業としてあっという間に噂が流れる時代ともなっています。

長時間の残業、時間外労働だけではなく、休憩時間の量と質について、検討していきましょう。

労働基準法で、従業員の労働時間については、原則として1週間40時間、1日8時間と定められており、休憩時間については労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないと定められています。

法的な定めがあるということも、休憩時間を確保すべき理由ですが、むやみに長時間労働を続けさせたとしても、業務の効率が上がらなくなったり、ミスが多発してしまう可能性もあります。

休憩時間には、身体的な疲労の回復という意味だけではなく、精神的な疲労を回復させるという意味もあるので、労働者は休憩時間を自由に利用することができるようにしなければならないと、労働基準法で決まっています。

とはいえ、法的に決まっているからという理由だけでなく、適度な休憩を取りながら作業を進めることが、たとえば製品を生み出す効率を上げることにつながり、労災事故を防ぐためにも役立ちます。

休憩の質についても、注意が必要です。

「休憩中にもかかわらず、業務の必要が生じた場合には、それを行わなければならない」という状況だった場合には、従業員の自由が確保されているとは言えないので、その時間は休憩時間ではなく労働時間にカウントされてしまいます。

なお、始業時間前や就業時間の後に機械類の点検を行っていることなども、その頻度や職場で慣習となっていることかどうか、といった状況によっては「労働時間」にカウントされる可能性があります。

労働時間が多くなった場合、それだけ休憩時間もきちんと確保しなければ、法的に問題となってしまいますので、注意が必要です。

休憩時間中に、従業員が自宅へ戻るというケースもあるかもしれませんが、従業員の自由な時間中なので、自宅へ戻ることをむやみに制限することは、難しくなります。

労働時間や休憩時間について、もしも貴社の認識が曖昧だったり、時間的・質的にきちんと確保できていないという場合は、今のうちに見直しを行って是正しましょう。

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